こんにちは、SAATです。
今回のオーダーは、広島県在住のK様からのご依頼です。

内容は東京マルイのハイサイクル電動ガン『M4CRW』に電子トリガーの最高峰『GATE TITAN』と軽量/高剛性/高精度な『レトロアームズ Ver.2メカボックス』『G&P メタルレシーバー』を組み込むというものです。
電子トリガーを組み込むこと自体はそんなに心配ではないのですが、それ以外のパーツです。
メカボックスとTITANの相性はOKとして、メタルレーバーにアウターバレル、チャンバーにグリップ、そしてギアにモーター、そしてメーカー不明のチャージングハンドルと、メーカーがバラバラの海外製品のオンパレードなので、スムーズに作業が進むか、それが心配です(^_^;)

まぁ心配しててもしかたないので、作業に取り掛かります!
まずはTITANを組み込んでいきます。
一部のメカボックスはシルバーだったり、中にはメッキみたいにキラキラしてる物もあるので、センサーの誤認防止のためにセンサー付近をわざと黒く塗る必要があったりしますが、このメカボは大丈夫そうですね。

まず最初に、メカボに軸受けを圧入します。
話には聞いてましたが、かなりキツキツですね。
簡単にスポッと入るよりはキツキツの方がガタつく心配がなくて良いのですが、それにしても硬いなぁ。
はい、軸受をいれてシム調整まで終わったところです。
TITANは光センサーを使っているので、ウェットグリスは使えません。
白く見える所は、ドライグリスが乾いた跡です。

ちなみに軸受は、ボールベアリングではなく高負荷にも対応できるよう8mmのメタル軸受(レトロアームズ製)で、ギアはSHSのスチールです。
ベベルもセットになってましたが、ラッチがかかる部分の形状とギアノイズを考慮しマルイの純正を使いました。

基盤の取り付けまで終わりました。
セクターギアは引き側を1枚、解放側を2枚カット。
ピストンは全金属歯でもよかったのですが、今回はLayLaxの強化ピストンを使い引き始めの1枚と引き終わりの3枚をカットです。
ピストンヘッドはマルイ純正を使用しました。
社外のピストンヘッドのほとんどは後方吸気になりピストン後退時の負圧が得られなくなるので、あえてノーマル形状を選択しました。
スーパーハイサイを作るわけではないので、そこまで気にする事ないのですが、給弾不良対策の一つとして・・・一応ね。
一気に組み上げてしまわずに、ここで一旦センサーチェックです。
セクター、トリガー、セレクタープレートの動きを確認します。
パソコンでやろうと考えていたのですが、デスクトップだと持ち運びできないので、家に転がってたタブレットにアプリをダウンロードして繋げてみたら、問題なく認識してくれたのでタブレットで作業する事にしました。

実際ににセンサーチェックしてみると、セレクタープレートが反応しません。
原因は簡単に解決。
説明書には金属板でもOKと書いてあったのですが、外して付属の白いシールじゃないときちんと動いてくれませんでした。

次はモーターをつけて、実際に可動させます。
ここで問題発生!グリップにモーターが入らない!
グリップはマグプルの前側と後側のストラップを交換できるタイプの物なのですが、グリップの太さを好みで調整できるのはいいのですが・・・内部のスペースが犠牲になるのはちょっと・・・。
だからでしょうね、どんなに配線の取り回しを工夫してもモーターはキツキツで正常には組めません。

削りましたよ。これでもか!っていうくらい削りまくりましたよ!
途中何度も遠い目になりながら削りまくって、ようやく入りました。
ムキになって削ってたので、写真撮るの忘れちゃいました(笑)

そして可動テストです。
はい、OK!^^
ちなみにモーターはロネックスのA2をチョイスしました。
ネットでは相性が悪いと書かれてるのを何度か目にしましたが、何のトラブルやエラーも出ませんでした。

次はレシーバーとチャンバーです。
今回選んだG&Pのこのメタルフレームは、トリガーガードも一体のデザインになってて交換することはできないタイプです。
デザイン的にはKNIGHT’Sのような感じです。
ここでもちょっとした問題が。
アウターバレルへのチャンバーの治まりが悪かったり、チャンバーのホップ調整ダイヤルの動きがおかしかったり、インナーバレル根元にはめるリングがはまらなかったりと、ちょこちょこした案件はありましたが、そんな事は想像の範疇です。
元よりスムーズに事が運ぶとは思ってません。

とりあえず形になって、弾が撃てる状態になりました。
ゴールは目の前だ!・・・と喜んだのもつかの間。
またしても問題が。

ダストカバーのロックがかかる部分が大きくて、シリンダーに当たって閉じません。
マルイのダストカバーを使おうとしたら大きさが合いませんでした。
じゃロックする所だけ移植しようかと思ったら、マルイは分解できたのですがG&Pのはハメ殺しで分解できませんでした。
これはどうしようもなかったので、諦めて次に進みます。

そしてここで軽いジャブ。
メーカー不明のチャーハンが奥まで戻らない。
不具合のある部分を加工して、ミッションクリア。

最後の試練はダミーボルトのプレートでした。
ダストカバーが開きっ放しということは、ダミーボルトを付けないとチャンバーやシリンダーが丸見えです。
ところがですよ、このダミーボルトのプレートがマジで曲者でした。

ダミーボルトを付けてレシーバーを合体させると、さっきまでスムーズに動いてたチャーハンがピクリともしないじゃないですか。
ダミーボルトの動きが渋すぎてチャーハンガ引けません。
グリップは樹脂だったのでドンドン削れましたが、こちらは金属ですしリューターの歯もあてにくい場所だったのでなかなか削り作業が進みません。

ついさっきまで手を伸ばせば届きそうな距離にあったゴールは、今はどこへ行ったのやら・・・。

以前にお客さんから・・・「自分らはムリだと思ったら店長のとこに持ってくればいいですけど、店長は逃げ場がないから大変ですね(笑)」って言われたのを思い出しながら、折れそうになる心をふるい立たせ、合わせては削りを繰り返します(ToT)

そしてようやく完成です(^o^)/
ハイダーもしくはサイレンサーとストックは、K様にお返しした後にお好みで取り付けていただきます。
快調作動に素晴らしいレスポンス、ギアノイズも問題ないレベル。
集弾性も0.25gを使えば45mは十分有効射程距離内です。

レシーバーのデザインはこんな感じです。
無事に完成はしたのですが、やはり最初に心配していた通り、敵はTITANではなくパーツ同士の相性(擦り合わせ)でした。
作業時間の2/3は削ってる時間だったはず・・・。